音声外来について
担当 言語聴覚士 山形 護
月2回 火曜日 午前10時~12時
音声外来とは、「声」の診察・治療をする外来です。
「突然声が出にくくなった」、「声が出にくい」、「声が途切れる」、「声が詰まる」など訴える患者様を時々見かけます。声に影響する疾患は、声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、声帯麻痺、声帯溝症、声帯萎縮症、喉頭がんなど、いろいろな疾患があります。
当院では声の障害に対して言語聴覚士による音声治療を行っております。音声治療とは、発声の方法や習慣を変える事により、声の障害の原因を取り除き、声の障害を改善する治療法の事です。簡単に言うと声のリハビリテーションです。声のトラブルは、声の使い過ぎであったり、声帯に負担がかかる声の出し方によって引き起こされる事が多くあります。
この様なトラブルには腹式呼吸やリラクゼーションの訓練によって楽な発声方法を身につけ、声の改善が得られることがあります。また、声帯の麻痺によって声が出しにくい場合には、声帯を強く閉める方法が効果的です。当院での診療は、声帯の状態を内視鏡で把握した上で実際に文章を声に出して読んで頂き、コンピューターにより音声を分析しております。実際の音声や録音された音声を聴いて確認・比較していきます。患者様一人一人の状態に応じて薬の内服、ネブライザー、音声治療を組み合わせ、日常生活での声の使い方の指導や声のリハビリテーションを行います。
学校や保育園の先生、住職さんのように、仕事で声を酷使する人、または詩吟やカラオケやコーラス等歌うことを趣味としている人など、声でお困りの人は、一度当院の音声外来を受診お勧めします。なお初診の方は一度耳鼻咽喉科の診察を受けていただき、医学的なチェックを行い、希望・必要に応じて音声外来を予約します。
主な対象疾患
(平成25年6月現在:延べ患者数351人、症例 56例、平均通院日数 6.3回)
疾患名 | 改善例 | 不変例 | 悪化例 |
---|---|---|---|
声帯結節 | 24例 | 9例 | なし |
声帯ポリープ | 2例 | なし | なし |
ポリープ様声帯 | 1例 | 1例 | なし |
声帯萎縮 | 4例 | 2例 | なし |
左反回神経麻痺 | なし | 2例 | なし |
声帯溝症 | 1例 | なし | なし |
吃音 | なし | 1例 | なし |
性同一障害 | なし | 1例 | なし |
声帯結節 治療例
声の評価方法として、音声解析を行っています。これにより治療前後の声の状態を客観的に比較することができます。